炭酸水で農家の経費節減−。高知市春野町の農業、雨森克弘さん(48)が、炭酸水で土壌の水素イオン指数(pH)を下げ、肥料を半減させる栽培方法を考案した。肥料価格が上昇するなか、画期的な農法として注目を集めている。土壌に吸収されない肥料も減って水質汚染防止にも役立ち、化学メーカーは「環境に配慮した新しい農法」と実用化を検討。今後は高知大と連携し、炭酸水効果を実証研究する予定だ。 雨森さんは平成17年、土壌中のpHによって肥料の吸収量が違うことに着目、約3年かけて実用化にたどり着いた。炭酸水を発生させる装置と液体肥料の入ったタンクをつなぎ、点滴チューブを通して作物に注入。トマトやピーマンの苗は根が大幅に増え、糖度が上がる効果もあったという。肥料代は10アール当たり約25万円で通常の半額以下に抑えることに成功した。