この春、テレビコマーシャルや店頭などで、いつの間にか消えていた商品を目にする機会が増えている。ヤクルトのミルミルやサントリーの鉄骨飲料、ポラロイドのインスタントカメラ、メガネクリンビュー…。消費が冷え込む中、消費者によく知られたブランドを再び登場させることで、消費需要を掘り起こそうとする企業側の思惑があるようだ。(太田浩信) ◆ブランド資産生かす ミルミルはミルクをビフィズス菌で発酵させた世界初の商品として昭和53年、登場した。一時は1日平均80万本弱を売り上げたヒット商品だったが、複数あったビフィズス菌飲料のブランド整理に伴って平成17年に販売を中止。しかし、ヤクルトの創業75周年に当たる今年、5年ぶりに販売を再開した。 復活の背景は消費者の圧倒的な認知度だ。復活前に行ったアンケートで、「ミルミルの商品名を知っている」「飲んだ経験がある」との回答がいずれも73%あった。復活には社内の一部