大手米銀は昨年夏、万一のことがあっても消費者がパニックに陥らないよう、密かにATMを現金で一杯にしていた〔AFPBB News〕 昨年夏、米国最大級の銀行数行は密かに、自行のATM(現金自動預け払い機)に現金を目一杯詰め込んだ。 その理由は何か。銀行幹部らは2011年7月、米議会が債務上限を引き上げる措置で合意できないために、米国が今にもテクニカルなデフォルト(債務不履行)に陥りかねないと思っていたのだ。 そこで彼らは集団で議論を重ねた末に、デフォルトという「最悪」のシナリオが現実になった場合、現金が尽きるのではないかと消費者がパニックを起こすことが決してないよう、ATMを現金で一杯の状態にすることを決めたわけだ。 ユーロ圏解体という「最悪のシナリオ」への備えは? 今、ユーロ圏の将来を巡る複雑なドラマが進行している中で、これは熟考すべき示唆に富んだ話だ。欧州や米国の銀行幹部は今のところ、公