ネット上では著作権がしばしば論争の種となる。「権利者側が既得権益をふりかざしネットの自由な発展を阻害している」「時代に即した著作権の解釈や運用が重要だ」といった主張をよく見かける。ウェブのニュース媒体でも、著作権や文化庁を過去の体制をひきずる保守勢力として問題点を取り上げることが多い。ネット関連で話題になりがちなのは、DRMの是非、ダビング10にからむ機器の補償金、動画サイトの違法投稿、パロディを含む二次著作物の扱い、などだ。 一部では「そもそも著作権なんてネット時代には不要だ」という意見もあるが、総論部分で著作権の意義や存在を否定する人は少ないと思う。マネや複製が可能だからといって知的財産(特許、意匠、著作物)に金を払う必要がないという理屈は先進国では通用しない。著作権という概念が確立されていない中世以前でも、画家、音楽家、演奏家、科学者や建築家などに対して領主や王族など支配階級、一