家電産業は、自動車産業と共に日本経済の高度成長を牽引してきた2本柱である。ところが、メイド・イン・ジャパンの代名詞であった日本の家電産業がいま総崩れの状態にある。この3月期決算の内容を見ると、パナソニック7721億円、ソニ-2200億円、シャ-プ2900億円と、軒並み大赤字を計上している。3社は赤字の原因について、「薄型テレビ事業の不振」「円高によるマイナス要因」を挙げるが、3社とも赤字決算の責任を取るかのように社長が交代する。創業以来最大の巨額な赤字を垂れ流し、3社とも生きるか、死ぬか、まさに会社存亡の危機に立たされている。 いま重大な分岐点に立っている日本の家電メ-カ-は、なぜ経営に失敗したのか? 1990年代に国内家電メーカーを成功に導いたビジネスモデルは、製品の開発設計から生産加工まで自社グループですべてを手掛ける「自前主義」と「垂直統合モデル」である。その成功モデルがグロ-バル競