警視庁サイバー犯罪対策課は10日、インターネットバンキングの不正送金対策として各金融機関が導入している「ワンタイムパスワード」を無効化する新種のウイルスが世界に広がり、日本や欧米、アジアなど数十カ国のパソコン約8万2000台が感染したと発表した。不正送金被害の規模は不明だが、警視庁は1日から、ウイルスの機能を停止させるデータの配布を全パソコンを対象に順次始めた。警察がウイルス対策データを配布し、被害防止に乗り出すのは世界的にも例がないという。 【新型認証でも146件】ネットバンク不正 昨年被害、最悪の29億円 ◇ネットバンク、勝手に不正送金 発表によると、このウイルスは「ボートラック」と呼ばれ、国内では昨年5月に初めて確認された。不正なプログラムを添付したメールを開封したり、ウイルスが仕掛けられたサイトを閲覧したりすると感染する。利用者がネットバンキングにログインしただけでウイルスが自