【安田朋起、斎藤徹】世界有数の火山国日本のなかでも、九州は「火山大国」だ。 国内110の活火山のうち九州は17、全国47の常時観測火山でも九つだが、気象庁が噴火警報を発令中に限ると6火山のうち4火山が九州。うち二つは人が住む地域近くまで影響が及ぶと予想され、噴火警戒レベルが現時点で最高の「3」に引き上げられている。 その一つが鹿児島県の桜島。地球上で最も活発な火山の一つで、約60万人が暮らす鹿児島市が近いのも珍しい。 今も噴煙をあげる南岳(1060メートル)は約4千年前に活動を始めた。大噴火を100〜300年ごとに繰り返し、多数の死者を出してきた。1471〜76年の「文明噴火」、1779年の「安永噴火」、1914年の「大正噴火」が代表例。大正噴火で東側に流れた溶岩は海を埋め、桜島が大隅半島と地続きになった。46年に起きたひとまわり小規模の「昭和噴火」とあわせて4大噴火と呼ばれる。