ひとしずくの水滴から波紋がひろがるように 2009年7月、神田のもと問屋街の一角に、広々としたカフェが誕生しました。もとは自動車の整備工場だったという築50年のビルの1階を改装した空間に、ソファがゆったりと並びます。 オーナーは大企業に勤務していた小松俊之さん。 「仕事は面白かったのですが、35歳を迎えたとき、この先自分は何をしたいのかを真剣に考えたら、20歳の頃に考えていたことと同じ地点にたどりついたのです」 20歳前後の小松さんは、美容室と撮影所とアパレルを兼ねた不思議な場所に出入りしていたそう。 「そこが自分のベースになり、集まってくる大人たちに良い刺激を受けていました」 日常的に人々が集まって影響を与えあう場所をつくる…それがOnE drop cafeで小松さんが実現したいこと。一滴のしずくが水面にしたたり、その波紋が静かに遠くまでひろがっていくように、ひとりひとりの小さな願いが誰