どんな夫婦にも、やがて離別の日はやってくるもの。球界屈指の愛妻家だったこの人も、その現実に直面した一人だ。妻の一周忌を目の前に、いま何を思い、どう生きているのか。ありのままを語る。 何もできない男が独り 妻・沙知代が虚血性心不全で倒れ、85歳でこの世を去ってから、早いものでもうすぐ1年になる。 だだっ広い家で独り過ごしていると、ふとした瞬間に、あの日のことを思い出す。 忘れもしない昨年の12月8日、寒い日だった。 「大変です。奥様の様子が……」 昼過ぎにリビングでテレビを見ていたら、お手伝いさんが飛んできた。慌ててダイニングに行くと、食事中の彼女が、座ったまま頭をテーブルにつけている。 「どうした?」と聞いて背中をさすってやると、一言、「大丈夫よ」と言ったきり動かない。彼女はどんなときも前向きで弱音を一切吐かない人だったけれど、まさかあれが最期の言葉になるとは思わなかった。 慌てて119番
![ノムさんの告白「沙知代よ、君がいない毎日は本当につまらなくて」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9e7794d65a7169efc5de10cc570289462e5a9b82/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2Fe%2F1200m%2Fimg_5e7a62f96ea9b59287622d153cf9994e51293.jpg)