JR東海は12日、長野県松本市でリニア中央新幹線計画について地元説明した。宇野護執行役員は説明会後、報道陣に「(建設費などの)データは出し終え、国が求めている『地域との調整』も一区切り」との見方を示した。一方、長野県側は「調整の前段階に過ぎない」との認識で、同社の姿勢に反発している。 JR東海は、国土交通省からの指示で、沿線各都府県との調整を進めている。長野県での全県説明会は4回目。ただ、同県内には、JRの希望とは異なるルートを求める意見があり、対立している。 JR東海は「調整は合意、同意とは意味が違う」(金子慎常務)との立場。2025年開業を見据え、同社幹部は「必要な説明は尽くしてきた。協議を打ち切るという意味ではないが、長野県は判断するべき時期に来ている」と話す。 長野県は「説明会や事務協議は情報共有の場」との考えで、今後も必要に応じて説明会を求める方針だ。