→紀伊國屋書店で購入 「「うその自白」と推定無罪」 周防正行が脚本を書き監督した映画『それでもボクはやってない』が公開中だ。ひとりの青年が巻き込まれた痴漢冤罪事件の顛末をとおして、日本の裁判制度のありようを問う作品である。その主張はなかなか明快だ。現代日本の刑事裁判において、推定無罪の原則が事実上機能していないことの告発である。 推定無罪とは、有罪が確定するまでは無罪として扱われること、別言すれば「疑わしきは罰せず」という刑事裁判の原則のことをさす。ところが現実はその正反対、むしろ「推定有罪」とよぶほかないような態度がまかり通る状況にあるという。いったん警察に捕まり被疑者とされたならば、警察・検察における取調べの段階から、まるで罪人であることがすでに決定しているかのような取扱いをうけることになる。起訴されて刑事裁判となったばあい、無罪が確定する割合はじつに0.005%。つまり起訴されてしま
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