世にキモメンは数あれど、『フランケンシュタイン』(1818)に登場する怪物ほどかわいそうなキモメンはいないでしょう。何しろ一目見ただけで女子が気絶してしまうほどのキショさ。そもそも死体だから脱ヲタしようもありません。現代SFの起源とも言われる『フランケンシュタイン』は、本人にはどうしようもない醜さを抱えた怪物が愛を求めて敗れていく苦悩を描いた作品です。 錬金術を学んだ天才科学者フランケンシュタイン博士は実験の結果、ついに死体をパッチワークして人造人間を創り出すことに成功します。 おお! 人の身であの顔の恐ろしさに耐えうる者はおりますまい。よみがえらされたミイラでも、あいつほどおぞましくはないでしょう。完成前に見ていたあいつ。そのときも醜いものだった。けれどもあの筋肉に、関節に、動く力があたえられたとき、それはもう、ダンテですら思いおよばぬほどの怪物でした。 自分で創っておきながらひどい