グローバリゼーションの「不確実性」 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が引き起こした危機(「コロナ危機」)は、世界的に見ても、いまだ収束したとは言いがたい。しかし、この巨大な危機がもたらした変化を見て、人々は、早くもコロナ危機以後(「ポストコロナ」あるいは「アフターコロナ」)の世界をイメージし始めている。 コロナ危機によって、強く印象付けられたのは、グローバリゼーションの限界と問題点であった。 パンデミックが勃発するや否や、世界各国は、国境の壁を引き上げ、人の出入国を厳しく管理して、自国民をコロナウイルスから保護しようとした。とりわけ、EU(欧州連合)各国が、域内の自由な人の移動という理念をかなぐり捨てて、厳格な国境管理を導入したことは、象徴的であった。 世界各国は、自国民を守るために、マスク、消毒液、人工呼吸器などの医療物資を奪い合い、輸出を規制する国も現れた。少なくとも医療物資に関して
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