マレーシア・セパンの警察署から釈放される北朝鮮籍のリ・ジョンチョル氏。リ氏は金正男氏殺害事件で今のところ唯一の北朝鮮国籍の逮捕者だった(中央、2017年3月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/MOHD RASFAN〔AFPBB News〕 2月13日にマレーシアで金正男が暗殺された事件で、同月27日、韓国の情報機関「国家情報院」は、犯行を行ったのは軍の「偵察総局」ではなく、「国家保衛省」で、そこに北朝鮮外務省が協力したとの見解を公表した。北朝鮮の工作機関について最も情報を持っているのは韓国の情報機関だから、現時点ではその可能性がきわめて高いと判断していいだろう。 現在、海外で破壊工作を実施できる北朝鮮の組織は、この偵察総局と国家保衛省の2つである。前者は諜報活動や破壊工作を担当する情報機関で、後者は反乱分子を摘発する秘密警察である。 国家保衛省はもともと北朝鮮国内での秘密警察活動と、海外で