『週刊新潮』 2020年10月22日号 日本ルネッサンス 第922回 日本は普通の真っ当な国家になってはいけないというかのような日本否定の考え方はもう捨て去る時だ。論理矛盾とダブルスタンダードの日本学術会議を見ての感想である。 日本の学者・研究者は「今後絶対に」軍事研究はしない。なぜなら日本は過去に軍国主義に走ったから、という学術会議の掲げる1950(昭和25)年の「決意表明」は、日本を占領していた連合国軍総司令部(GHQ)の考え方を反映している。 亀山直人初代会長は53年に吉田茂首相(当時)へ、GHQが学術会議設立に「異常な関心を示した」と書き送っている。設立時のGHQの異常な関心は、日本学術会議の理念にもろに反映された。日本が二度と米国に刃向かえないように、およそ全ての軍事力を殺ぎ落とす役割を日本学術会議に担わせようとGHQは考えた。それが前述した軍事研究絶対拒否の誓いにつながっている
ここ数か月、南シナ海を舞台にした中国の攻勢が、1~2年前とは違ったレベルで進んでいる。埋めたてた岩礁にミサイルを配備し、さらなる人工島も建造し始めた。日本はこの事態にどう対応すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が解説する。 * * * 日本は今のうちから、南シナ海が完全に奪われた後のシミュレーションを行っておく必要があります。マラッカ海峡が閉鎖されて中東の石油が入ってこなくなった時にどうすべきか。本当に大変な状況になりつつあるのです。 南シナ海で起きることは、東シナ海でも起きると覚悟しておかなければなりませんから、日本は何としてでも米国と緊密に協力し合いながら、中国の南シナ海、東シナ海における支配を許さないよう、強い抑止力を構築していかなければなりません。中国がしていることに注目して、勝手な行動を許さない態勢を作らなければ、大変なことになります。 中国はすでに東シナ海で侵略的な動きを加速
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