アメリカの作文指導はというと、説明文を書く「エッセー・ライティング」を中心に、物語や日記の形式で創作的な文章を書く「クリエーティブ・ライティング」をバランスよく行うのが一般的である。 ところが、日本の作文指導では、エッセー・ライティングもクリエーティブ・ライティングもほとんど行われず、ただただ読書感想文と学校行事の作文なのである。俳句や短歌や詩を書く機会は結構あり、これがクリエーティブ・ライティングに当たるとも言えるが、物語を書く機会はあまりない。さらに不可思議なことに、読解では説明文も物語文も、小学校からきちんと指導されている。 つまり、日本の国語教育は、読解と作文が十分に呼応しておらず、読解での学びが作文にしっかりと生かされる構造になっていない。何とももったいないことである。 模倣からの脱却と子どもの心情・態度の重視 読書感想文と行事の作文は、日本でのみ熱心に取り組まれてきた、いわば教
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