作家の村上龍さんの長編小説「歌うクジラ」が16日、アップルの新端末「iPad」(アイパッド)向けの電子書籍として公開された。出版社を通さずに、コンテンツ企画制作のグリオ(東京都世田谷区)がソフトを制作した。音楽家の坂本龍一さんが作曲したBGM付きで価格は1500円。 電子版「歌うクジラ」は横書きで632ページ。表紙と最終ページ、一部のページでBGMがつく。ソフトにはページを飛ばして読む機能があるほか、気になるページをブックマークすると一覧表示される。船山浩平グリオ社長によると、電子版は、表紙や各章の扉ページのデザイン、BGMの挿入場所など、全面的に村上さんのアイデアで制作された。村上さんは、今回の制作に携わって「電子版に向いているのは絵本だ」と実感し、絵本制作に意欲を燃やしているという。 また、価格について船山社長は「議論したが、作品の文字量と音楽が付くことを考えると、見合った価格だと