今月11日に行われたボクシングのWBCミニマム級タイトル戦で、井岡一翔選手が世界王者に輝いた。日本選手最短となるプロ7戦目での王座獲得だ。 ところで井岡一翔の「一翔」はカズトと読む。実は「翔」をトと読ませる名付けが近頃は流行のようで、明治安田生命が昨年12月に発表した平成22年生まれの名前ランキングでも、ヒロト、ハルトなどと読ませる「大翔」が4年連続で男児の首位となった。力強い名前だが、ふと気になるところがあった。 新生児の名付けについては、使用できる漢字が厳しく制限されており、「こんな易しい漢字が使えないなんて」と訴訟になることもしばしばである。見た目にも簡単で「波」や「破」からの類推によって容易にハと読める「玻」もその一例だが、最高裁は昨年、「玻は常用平易な文字とはいえない」として使用不可の判断を示した。 名前は親から子への最初にして最高の贈り物だ。そこには子供の健やかな成長、幸せな未