小保方晴子さん(36)は洋菓子店で働いていた。そして時おり雀荘を訪れては、フリーで打っている。しかし彼女が握るべきはパイではなく、フラスコや試験管ではないのか。 【写真】ピンク色のコート姿の「小保方晴子さん」 なにせ、小保方さんのSTAP細胞は、あれだけ世間を、いや、世界を騒がせたのである。あらためて検証実験をしてもSTAP細胞は作製できなかったのに、「ありまぁす!」と言ったきりでは無責任きわまりない。いかなる事情があったとしても、だ。 たしかに、彼女が2014年末に理研を退職するまで様々なことがあった。論文共著者の若山照彦山梨大教授との衝突。彼女の指導役だった理研の笹井芳樹氏の自殺。辞めてからも、早稲田大学から博士号を取り消されている。 長い雲隠れののち、18年までに、『あの日』と『小保方晴子日記』を上梓した。そこには騒動のさなかの胸中や現実からの逃避行が綴られている。〈私の研究者の道は