多くの人は自分の主張をするさい、何らかの理由づけをする。 なぜそのラーメン屋に行くべきのかと問われれば「美味いから」「店員の女の子が可愛いから」などという答えは自然だろうが、それが「国益に叶う」からだと言われればさすがに引いてしまう人が多いのではないだろうか。 いずれにせよ、自分の主張に対する理由づけは次の5つぐらいの水準に分けられるんじゃないかと思う。 (1)自分の利害、好み (2)他人の利害、好み (3)集団の利害、好み (4)国家全体の利害、好み (5)人類全体の利害 抽象的に考えるとわかりにくいので、ここでは「なぜ移民に賛成/反対するのか」という理由付けを例にとって考えてみよう。 まず、(1)について言えば、「自分にとって都合が良い/悪い」、「自分の好みに合う/合わない」がその理由になる。移民の事例に即していえば、「外国人が好き(嫌い)である」ということだ。 このような個人的な理由