花田信弘(はなだ・のぶひろ) 鶴見大学歯学部 探索歯学講座教授 1953年福岡県生れ。国立保健医療科学院口腔保健部長。九州歯科大学卒業後、ノースウェスタン大学微生物・免疫学研究室に留学。国立感染症研究所口腔科学部長、国立保健医療科学院部長などを経て、2008年から現職。 歯周病がさまざまな臓器に影響を与えることは、疫学的には随分前からわかっていました。さらに新たな動きとして、歯周病菌があらゆる臓器に影響を与えることを示すしっかりしたエビデンスが出てきました。歯周病のコントロールの悪さが、なぜ全身疾患のリスクを上げるのか、メカニズムがわかってきたものもたくさんあります。歯科と医科が手を結び、治療を行う機会も増えてきました。 歯周病は主に“2つの方向”でほかの臓器の健康を左右します。2つの方向とは、「血液に入り込んで全身を駆け巡る歯周病菌などの口腔細菌」と「歯を失い咀嚼(そしゃく)が難しくなる