(上)大徳寺所蔵の織田信長像。小袖は落ち着いた色調で描かれている(下)裏面(左右を反転)は大刀と短刀を差し、小袖の色も表面と異なる(いずれも京都国立博物館提供) 京都・大徳寺所蔵の「織田信長像」(16世紀、掛け軸)は、当初の絵を大幅に描き直したものだったことが、京都国立博物館の調査でわかった。 安土桃山時代を代表する絵師・狩野永徳の筆と伝わる作品。絵の裏側に残る最初の絵は、衣装はより華やかで脇に差す刀も1本多かった。 信長没後、権力を握った豊臣秀吉が描き直しを命じた可能性がある。派手好みの信長をなぜ地味にイメージチェンジしたのか、議論を呼びそうだ。 同像は縦115センチ、横52センチで、絹地に顔料で描いた「絹本著色(けんぽんちゃくしょく)」の作品。絹本著色の絵は、裏にも表と同じ色づけをするのが特徴。2008年からの修復で、表裏を比べたところ、両腕とも薄藍色の小袖を着た表面に対し、裏面は右腕