以前の職場は古いビルの4Fにあった。ビルの大家は70代ぐらいの男性で、お互いになかなかコミュニケーションが取りづらかった。 一番参ったのは、網戸問題。換気のために窓を開けていると虫が入ってきてしまうから、網戸をつけたいと言ったのだ。それまでのやり取りから「網戸をつけたらどうでしょうか」なんて交渉は無理とわかっていたので、「こちらの費用で網戸をつける。退去の際には原状回復する」と申し入れた。 その時点で4年ほどは入居してたと思う。古いけど駅近だということだけで強気なのかなんなのか、全くこちらの言うことを耳を傾けない大家はやっぱり「網戸をつける? なんで? 必要がないから認められない」と言った。 「4階に虫なんて入ってこない」と言うのである。「2階の(笑)、入居者が(笑)、そんなこと言ってないのに(笑)、4階に(笑)、虫なんて(笑)」と、笑いながら彼は言った。 2階の弁護士事務所にはなんの恨み