先週,プロジェクト・マネジメントをテーマにした日経コンピュータ主催のセミナーに出かけた。この分野における専門家3人の講演をうかがい,いろいろと勉強になった。セミナーを聞き終えて興味深かったのは,講演者3人が3人とも,「システム開発プロジェクトが泥沼にはまり込む過程」を同じような表現で語っていた点だ。3人がそれぞれの経験に基づいて,「負のループ」「悪魔のサイクル」「悪魔のスパイラル」と呼んでいた。 これらの呼び方が示そうとしているのは,初めはプロジェクトに生じた小さな「遅れ」や「問題」だったとしても,悪魔のスパイラルを通じて徐々に深刻化していくという悪循環の存在である。このような指摘に「そうそう」とうなずいたり,「あぁ,確かにそうかもしれない」と気付いたり,あるいは「えっ?」と驚いたりと,読者の方々はさまざまな印象を受けていると思う。この機会に自分が関与するプロジェクトの状況について,点検し