毎年2月1日になると、野球ファンの間では奇妙な会話が繰り返される。 「あけましておめでとうございます!」 この日からプロ野球12球団の春季キャンプが一斉に始まり、「球春」が到来する。野球ファンにとって2月1日は「第二の正月」とも言えるアニバーサリーなのだ。 約2カ月後に迫るシーズン開幕に向けて、選手は体と技術を万全に整えていく。しかし、2カ月という時間は、かなり長く感じられる。メジャーリーグでは日本よりも3~4週間ほど遅くキャンプが始まり、しかも練習時間は短く、実戦中心。どちらが良い、悪いという話はさておき、日本のプロ野球キャンプを見ていると、期間が長いからか調整内容に選手の哲学が透けて見えることがある。 特に確固たる技術を持った一流選手ほど、調整をチームから委ねられることになり、独自の色が出てくる。そんな「調整力」を持ったプロ野球選手の取り組みにスポットを当ててみたい。 最年長投手の徹底