成果主義は日本に馴染まないというのは短絡的な見方だ。小手先の賃金制度改革にとどまった企業が失敗したに過ぎないからだ。能力開発を軸にした「ニチレイ型成果主義」は、組織の業績と社員の働きがいの向上で好循環を生みつつある。 ニチレイは2000年4月から、新しい人事制度「フレッシュ&フェア(FF)プログラム」を導入している。社員の成果と役割を明確にして、透明性と納得感の高い評価制度によって処遇や賃金を決めることを狙ったものだ。1999年3月期に事実上、初めての赤字決算に陥ったことがきっかけだった。 「成果主義」の最終目標は何かと問われれば、多くの企業は会社の業績向上だと答えるだろう。「ニチレイ型成果主義」は業績向上はもちろんだが、社員のキャリア開発を通じて、働きがいを向上させることに基軸を置いている点が特徴だ。 仕事のアウトプットを「成果」とすれば、その成果を生み出す基盤が「役割」となる。一人ひと