前回の記事では、変化が激しい現代において様々な仕事がプロジェクト化しつつあることについて述べた。本稿では、プロジェクトを率いるリーダー必携のスキルであるファシリテーション能力について、「ファシリテーション型リーダーシップ講座」の講師を務める筆者が述べる。 ファシリテーションスキルというと、会議の司会者というイメージを持っている読者も多いかもしれない。中立的な立場で会議を進めながら、うなずいたり相槌をうったりすることで発言を促していく。それもファシリテーションスキルの一つである。しかし、プロジェクトを進めるためにはそれだけでは十分ではない。プロジェクトリーダーとして重要なのは「感情のファシリテーション」であると話すのは、ある自動車会社で若くして開発主査に大抜擢されたCさんだ。 「主査」とは聞きなれない肩書きかもしれないが、自動車会社におけるクルマ作りという重要なプロジェクトのリーダーである。