1 アレン・ギンズバーグの詩は意外と読まれていない アレン・ギンズバーグといったら、ビートの親玉、不良の大物、ゲイ詩人、ドラッグ常習者、など不名誉という名誉を背負った、60年代ヒッピーのカウンターカルチャーのアンチヒーローと思われている。日本でも、アメリカでもおそらく。 しかし、詩人としての実体は??となると、日本では、彼を一躍有名にした「howl」「kaddish」などが部分的に知られているだけ。ビート文化の文脈でのイメージが先行しているだけで、実際に詩のテキストはほとんど読まれていない。翻訳者の諏訪優さんと高島誠さんが早くに亡くなっているせいもあって、最近のものでは、現代詩手帖の1997年のアレン追悼号以外はまとまった翻訳もない。だから、ヒップスター、ビートニクとして、プロテストし政治的行動する詩人というイメージだけが先行し通用してしまっている。同性愛者差別反対、反戦運動、白保の珊瑚礁