江戸時代のトイレは汲み取り式で、その糞尿が農家の肥料として使われていたことは、比較的よく知られています。 しかし江戸時代の人々がどのようなトイレを使っていたのかについては、あまり知られていません。 果たして江戸時代の人はどのようなトイレを使っていたのでしょうか? この記事では江戸時代のトイレがどのような構造になっていたかについて紹介していきます。 なおこの研究は、山路重則(2019)『江戸時代のトイレ文化』年報「観光研究論集」17号p.70-73に詳細が書かれています 目次 戸が半分しかなかった江戸のトイレそこまで汚くなかった下水 戸が半分しかなかった江戸のトイレ 江戸後期の長家の共同便所、戸は半分しかなかった / credit:wikipedia 江戸時代の風俗を詳細に記録した『近世風俗志』によると、江戸のトイレでは半分ほどの高さしかない「半戸」が主流でした。 その理由としてまず考えられ