株式市場で長らく物色人気の圏外となっていたNTTの株価に変化の兆しがみえてきた。1987年2月の株式上場以来21年余り、その間NTTドコモ、NTTデータ、NTT都市開発など、自社の高収益事業部門の分社化などによる子会社・関連会社を積極的に株式上場させる戦略をとってきたものの、肝心の自社株式の株主対策には消極的といわれても仕方のない状態が続いていた。株価は上場直後に急騰をみせ、318万円の上場来高値をつけてから、長期間の低迷を続けており、ここ7年間も40〜70万円の底値圏での推移を強いられてきた。 こうしたなかで、5月14日の東京株式市場でNTTの株価が大量の買い物を集めて、2003年11月以来約4年半ぶりに値幅制限いっぱいのストップ(5万円)高の49万8000円まで買い進まれた。ひさしぶりに強烈な買い人気を集めた背景には、複数の買い材料が重なる好条件をNTTが一気に発表したことによる。 第