「人っていうのは、実に面白い」。これは僕が、バンドマンながらにCINRAというメディアを作りはじめ、のめり込んでいく理由になった「発見」だった。音楽のことしか知らないのに、アートや映画や演劇の人たちにも取材をしに行き、もの作りに対する姿勢や考えの深さに刺激を受ける。ヒットチャートなんて糞食らえ! と思っていたのに、売れてるミュージシャンに話を訊いてみたら、その想いの強さや背負っているものの大きさに感銘を受けて帰ってくる。大きな企業の社長はもとより、サラリーマンやOLに取材をしても、人それぞれの考え方や生き様やドラマがあって、考えさせられることばかりだ。だから、「人」のことをありありと掘り下げていけば、それは自ずと面白い記事になるし、人の面白さがあらわれた記事は、知名度に関係なくアクセス数は高くなる。 結果的にこの連載は、PaperBagLunchboxというバンドの復活と終わりを描いたこと