設定価格からよく100ドル・ノート・パソコンと呼ばれるNicholas Negroponte氏の「XO」は,この10年間で大成功を収めるはずだった。発展途上国の子供を支援する目的で設計されたXOは,基本的に原価で販売され,商業的な活動より人道主義に従って計画が進められている。ところが,予想よりも高くなった価格だけでなく,企業競争という障壁がNegroponte氏の夢の前に立ちふさがった。 問題の一部は,XOを作っている非営利団体One Laptop per Child(OLPC)のハードウエア/ソフトウエア設計が,大手コンピュータ企業の採用しているものと異なることだ。XO開発の早い段階で,半導体大手の米Intel製プロセサと米MicrosoftのWindowsの搭載が見送られ,米AMD製プロセサとオープンソースのLinuxが選ばれた。そのため,当初のXOは,本来の性能を発揮できず,全世界の