2009年7月、南雲堂より評論集『社会は存在しない ――セカイ系文化論』が刊行されたのを記念して、8月2日(日)、青山ブックセンターにてトークショーが行われた。登壇したのは、著者である限界小説研究会から蔓葉信博、渡邉大輔、そして1980年代以降の日本思想について概観した『ニッポンの思想』を上梓したばかりの批評家・佐々木敦の各氏だ。トークショーでは、論集のテーマともなった「セカイ系」と呼ばれる、2000年代を代表するキーワードを巡り、白熱した議論が展開された。テン年代(2010年代)に批評が向かう道とはどこなのか、その方向性を示唆した貴重なセッションを、ぜひご一読いただきたい。 「限界小説研究会」って、なかなかカッコいいネーミングですよね?(佐々木) 『今日の日はさようなら』(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の挿入歌)の流れる中、登壇者たちが登場。 渡邉:なんか、この音楽を聴きながら登場する