中国に行くと、大学の教授や社会科学院(政府系シンクタンク)の研究員など経済の専門家たちがそろって口にする言葉がある。「今こそ、アメリカを買うべきだ!」である。 その勢いは、驚異的としかいいようがない。これまでの恨みを晴らすかのようである。まるで強気だったライオンが弱った瞬間に襲いかかるかのような勢いである。 事実、このところ中国企業による米国企業の買収はすすんでいる。中国の政府系ファンドが米国の生命保険会社アリコの49%を買収するなど、中国企業による米国企業の買収が活発化している。 個人ベースでも、同様にその勢いはとまらない。 サブプライムローン問題によるアメリカ不動産価格の下落で、今が底値でチャンスであるとしてとらえ、北京では米国不動産購入ツアーも企画されている。不動産ツアーでは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ラスベガスの3都市を視察し、これまで高値の花だった不動産を購入する。