そしてもちろんそれでも足りない、根本的には教育扶助や親の貧困対策が必要なことに異論のあるこども食堂関係者はおそらくいないだろう。 こども食堂の「効果」について(貧困対策・地域コミュニティ創製以外に)もっと強調してよいのは、その人材育成効果だと思う。 とりあえず「食事を作って出す」という圧倒的なハードルの低さが、今まで市民活動に参加することがなかった方を引き入れる効果を持つ。似たような運動として、70・80年~90年代に石井桃子さん(児童文学作家)の活動を嚆矢とする「家庭文庫(個人文庫)」があった(こちらも「最低限選書して本を用意する」だった)が、これほどの広がりは見せなかっただろう。 日本の「草の根市民運動」の中でも、相当度に成功したパッケージだといえる。このこども食堂の活動を入り口に、こども以外の貧困問題や他の社会問題に取り組む担い手が現れる(現に現れ始めている)だろう。 こども食堂自体