矢沢久雄 10進数の6は,2進数で0110になります。それでは,10進数の-6を2進数で表すとどうなるでしょう。-0110でしょうか?いいえ違います。なぜなら,0と1の2種類の情報しか表せないコンピュータには,マイナス符号(-)を表す手段がないからです。0と1とマイナス符号では,3つの情報になってしまいます。そこで,コンピュータは「マイナスの数をプラスの数で表す」という何とも不思議な表現方法を使っているのです。 ●マイナスをプラスで表す補数 マイナスの数をプラスの数で表す表現方法を「補数(ほすう)」と呼びます。2進数の前に,10進数で補数の考え方を説明しましょう。ここでは,10進数で5-3という引き算をするとします。5-3は,5+(-3)と同じですね。-3を補数で表すと,つまり-3をプラスの数で表すと7になります。5+7を計算してください。 5+7=12 答えは12になります。このとき「桁