前回のエントリでは、カーツワイル氏の脳に対する理解が誤っており、脳の複雑さに対する推定が過少であるという生物学者からの指摘を紹介しました。 けれども、公平のため述べておくと、カーツワイル氏も脳を再現するためには脳自体を観察する必要があることを認識しており、そのための手法についても述べています。そこで、今回は脳を観察するための手法と、脳の「配線図」の解明について検討します。 脳の機能の研究と精神転送のためにまず必要となるのは、脳の「配線図」すなわち神経科学者が「コネクトーム」と呼ぶ、ニューロンや領野間の接続状態を明らかにすることです。次回述べようと思いますが、コネクトームの解明は人間の精神現象の理解と精神転送の十分条件ではありません。けれども、コネクトームの解明が人間の脳と精神活動の解明のために必要となる一つのステップであることは間違いありません。 ヒトコネクトーム 人間の脳はおよそ100億
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