就職の道は断たれた。というか、自らぶった切った。 「なんか大学から変な通知きてるんだけど……」 僕の返答は決まっていた。 「フリーターやりながら小説家目指すよ」 ぶっちゃけなんでもよかった。ミュージシャンでも、漫画家でも、プログラマでも。 今までの人生を振り返ってみて周りの反応がよかったのが文章だっただけということ。 親は肯定も否定もせず、静かに仕送りだけが途絶えた。 それからはバイト先への往復以外は外出せず、ひたすら文章を読み、書く生活が始まる。 先ずやったことは好きな作家をコピーすること。十冊ほど、写経した。 次に、小説指南本を十冊ほど読み、どの本にも書かれていることをチェックし、実践した。 頭はどんどんハイになっていき、一心不乱に書きまくった。遅れてきた青春だった。 そして、もうすぐ青春が終わる。つまり、デビューが決まった。 親の援助がなくなってから三年が過ぎようとしていた。 打ち合