マンガ部ログ: 松久由宇「風の戦士」圧巻の描写力に酔う!
編集部・峯村 圧巻の「漫画力」を体感――松久由宇の紡ぐ小宇宙 『風の戦士 －WIND SOLDIER－』 全2巻 松久 由宇 各315円(税込) ＳＦ漫画には数多くの傑作があるが、多岐にわたる設定を、より細分化する形で進化したように思われる。なぜならひとつの目新しい設定に沿って物語を作れば、少ないディティールで作品に説得力を持たせることができるからだ。特にそれが、現実にありえない発明や、科学の進化の先に生み出された技術・ガジェットの類であればなおさらである。作家はそのアイデアを、できるだけリアリティあるもののように描き、センス・オブ・ワンダーを作り出そうと苦心するが、たったひとコマの気の緩みによって、読者をしらけさせてしまうことも往々にしてある。 今回取り上げる松久由宇の作品には、そのような汲々とした苦心はない。とにかく壮大。大きいことはいいことだといわんばかりに、直球の超時空宇宙ロマンが
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