対談 堀潤 × 津田大介 【第1回】 「世論」と「中立」が好きな日本のテレビは、なぜつまらなくなったのか NHKでは、常に世の中の空気を読まねばならなかった 津田 現時点(4月2日午後)ではまだ、堀さんがNHKを辞められてから丸一日経っていないわけですが、率直なところ、退職した感想はどうですか? 堀 世界は自由なんだということ、そして、言論空間には自由があるんだということをすごく実感しています。昨日も、退職したことをTwitterでつぶやきましたが、いろいろな反応を頂きました。 これまでは公共放送のアナウンサーだったので、ルールを意識しながら、また、ある意味で逸脱しながら仕掛けていった部分がありました。その結果、僕の発言には、組織からのハレーションというか、一種の不自由さが伴うこともありましたが、それがもうないということを強く感じましたね。 津田 なるほど。ただ、言い方を替えると、組織は内