どこでも自由自在に動き回る猫。その動きは忍者と例えられることもあるのだが、その猫も地上にいるからこそ巧みに動き回ることができるのだ。それを裏付けるような実験が、1940年代のアメリカで行われていたのである。当時の米空軍は、猫を無重力下におき、その反応を映像として記録していたのだ。 この実験は1947年9月26日に、「エアロスペース・メディカル・リサーチ」が行ったものだ。軍事輸送機「C-131」を使い、無重力実験を実施。放物線飛行により15秒間の無重力状態を作り出し、そのなかで猫の反応を確かめたのである。 その結果、猫は空中に漂うだけで手足をひたすらバタバタさせることしか出来なかった。フラフラと浮遊するだけで、為す術なしと言ったところか。驚きうろたえる姿は、少しかわいそうな気もする。ちなみに実験では鳩の反応も見られた。鳩も上へ下へと翻弄され混乱してしまっているようであった。 優れた平衡感覚を