来年春に長野―金沢間が開業する北陸新幹線の新型車両「E7系」の生産が、神戸市兵庫区の川崎重工業兵庫工場でピークを迎えている。完成した車両は神戸港から海上輸送される。輸送日程は「極秘」とされるが、熱心な鉄道ファンが出航を見送る。 川重兵庫工場は別名「鉄道車両のデパート」と呼ばれる。甲子園球場の約6倍の敷地内では新幹線からJR在来線、私鉄、台湾高速鉄道まで、多種多様な車両が毎月80両ほど造られる。 工場内にはJR和田岬線が引き込まれ、在来線の車両はここから全国に運ばれる。しかし、新幹線は「車両幅が在来線より広く、ホームにぶつかってしまう」(同社車両カンパニー小野晃司総務課長)ため、海上輸送が使われている。 車両は工場脇の兵庫運河で台船に2両ずつ積まれ、神戸港のポートアイランドで貨物船に積み替えられる。3、4日かけて仙台港に運ばれ、宮城県のJR東日本新幹線総合車両センターに陸送後、東北新幹線を経