【第16回】はこちらをご覧ください。 仕事中に声をかけられるのを極度に嫌がる この前の月曜日の早朝、息子の思わぬ言動が、久しぶりに僕たち家族を驚かせた。 そのとき僕は出社前で、妻や息子より早めに朝食を終えると、前日の職場で終わらなかった仕事を片づけるべく、パソコンに向かっていた。息子は機嫌が良く、笑顔であれこれ喋りながら、おいしそうに朝食を食べていた。僕も妻もその様子を見て、「今日は無事に学校に行ってくれそうだ。よかった・・・」と、ホッと胸をなでおろしていた。 ところが、朝食を終えた息子は急に何かを思い出したらしく、駆け足で自室に戻った。やがて引き返してくると、キーボードを叩いていた僕のところにまたも慌てて駆け寄り、水糊が入ったプラスチックの小さな箱を差し出した。 その辺のコンビニや文房具店で売っているような、何の変哲もない水糊である。息子はそれを僕に見せながら、こう尋ねてきた。 「お父さ