読者の中にもインターネット・バンキング・サービスを利用している方も多いと思う。ATMや窓口へ直接行かずに、振り込みや金融商品の購入・解約が可能で非常に便利なサービスだが、この取引データは基本的に金融機関に保存されている。もし、災害などでこれらのデータにアクセスできなくなったら、どれだけの社会的な影響が発生するだろうか?今回は、こういった社会インフラである重要な電子データを、いかに保護するかという「災害対策」の考え方について紹介し、ストレージの視点から解決するリモートレプリケーション機能について解説する。 これまでの災害対策と近年の課題 災害対策は、コンピュータが普及する以前から行なわれてきた。当時は、商取引はすべて「帳簿」といった紙媒体に記録されていたが、災害や盗難から帳簿内のデータを守るために、紙媒体やマイクロフィルムに複写し、別の事務所や倉庫に保管していた。むろん、現代でもこういった手