ついこの間まで「地方創生」を連呼していた安倍政権が、今度は「人づくり革命」だと騒いでいる。地方創生で地域を活性化し、地方の人口減少を食い止めるのではなかったか。地方自治総合研究所の今井照主任研究員は、そもそも人口減少は「国策の失敗」によって起きたのであって、その責任を国から自治体に転嫁しようという「地方創生」は愚策であると指摘する。<連載第一回はこちら> ベビーブームがなかったら 世界に先駆けて日本で「最も急速に」進む人口減少は、国策の失敗によって生まれました。これを地域の責任に転嫁したところから、「地方創生」政策という新たな失敗が始まったのです。 そもそも人口減少はどうして起きているのか。生まれる子どもが少なくなることによって起こるというのが最も単純な答えです。日本について言えば、初婚年齢が高くなる「晩婚化」と結婚しない人たちが増加する「非婚化」が少子化の原因となっている。ここまでは確か