その手法が好きか嫌いかは別として、負け犬が一躍頂点に登り詰めた。CBOEボラティリティー指数(VIX)が吹き上げるのを辛抱強く待ち続けた結果、莫大(ばくだい)な利益を手に入れた。 先週の市場の混乱に乗じた最大の勝者の中に、VIXオプションに連動するアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)を1枚約50セントで買っていた投資家がいる。マクロ・リスク・アドバイザーズ(MRA)のデリバティブ戦略責任者プラビット・チンタウォンバニッチ氏は、「50セント」として知られるこのトレーダーが2017年初めからの一連の取引で計2億ドル(217億円)近くまで資産を増やしたと推定する。ひと月で4億ドル相当振れた恩恵を受けたという。 チンタウォンバニッチ氏によると、同氏が「VIXエレファント」と呼ぶこのトレーダーは、ボラティリティ-上昇で恩恵を受けるためVIXのコール(買う権利)スプレッドを大量に取引しながらプット(売る