二つの物体の温度の高低は温度的な接触[疑問点 – ノート](thermal[1]contact)によりエネルギーが移動する方向によって定義される。すなわち温度とはエネルギーが自然に移動していく方向を示す指標であるといえる。標準的には、接触によりエネルギーが流出する側の温度が高く、エネルギーが流入する側の温度が低いように定められる。接触させてもエネルギーの移動が起こらない場合は二つの物体の温度が等しい。この状態を温度平衡(熱平衡)と呼ぶ。 マクスウエルは、気体の温度は分子の乱雑な並進運動エネルギ―の平均値のみによって決まる。ただし、液体または固体状態にある物体に対する同様な結果は現在のところ確立されるに至っていないと述べていた[2]。最近、五十嵐は液体や固体に対しても成り立つ温度の定義を提案している。それによると、分子間力が位置のみの関数であれば、多原子分子で相互作用が存在しても、分子の並進