「21世紀枠に負けたのは末代までの恥」「腹を切りたい」。 2010年春のセンバツ甲子園、開星(島根)vs.向陽(和歌山)戦の後の発言である。 開星絶対有利の下馬評を覆し、21世紀枠で出場した向陽高校が見事な大番狂わせを演じた訳だが、その試合内容よりも、敗軍の将・開星高校野々村直通監督の上記の発言が「教師にあるまじき発言」「向陽に失礼!」「21世紀枠を侮辱している」と物議を醸し、野々村氏は監督辞任にまで追い込まれた。後に保護者や高校野球ファン、そして言われた側の向陽高校関係者を中心に8000名の嘆願署名が集まり、翌春より監督に復帰。昨夏の甲子園大会では優勝を果たす日大三高を最後まで苦しめる熱戦を演じ、今年3月の定年退職をもって高校野球監督の一線から退いた。 そんな野々村直通氏が「画家」そして「教育評論家」としての活動を開始。その第一弾としてこのほど初の著作『やくざ監督と呼ばれて』を刊行した。