習近平氏が2009年に中国国家副主席として来日した際、直前になって天皇陛下との会見を求めた。1カ月前までに会見を申請するよう求める宮内庁の規則にもかかわらず、日本政府は慣例を破り、拝謁を認めた。 中国の次期指導者としての習氏の重要性と、修復に向かっている関係を生かしたいという望みを反映した異例の措置だった。 あれから5年。両国関係があまりに悪いため、日本の外交官たちは、中国政府が11月10~11日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を主催する際に安倍晋三首相と習氏との初の首脳会談を実現させようと、土壇場になってもなお懸命に努力していた。 強く、国家主義的な指導者が両国を治めているため、アジアの2大大国は多くの問題を巡って角を突き合わせている。最も危険な対立の争点は、東シナ海に浮かぶ尖閣諸島だ。 初会談への期待と不安 中国で反日的なレトリックが最近トーンダウンしていることも含め、会