著者: 池田園子 何事にも飽きっぽく、引越しを繰り返していた自分が、初めて物件を更新した「例外」のような年——。2020年4月、私は駒込に住み続けることを決めた。 4年間務めたWebメディア編集長を退任し、2月に編集プロダクションの代表になって、環境が変わったばかり。そして、世間が新型コロナウイルスの話題一色になり始めたころだった。 駒込での暮らしをスタートしたのは2017年8月。元夫と別居する目的で、2015年11月に三軒茶屋から移り住んだ新富町(中央区)でも、例によって物件を更新することはなかった。 心地よかった新富町で抱いた、離婚後の虚無感 社会人になった2009年から振り返ると、川崎区中瀬(川崎市)、荏原町(品川区)、学芸大学(目黒区)、三軒茶屋(世田谷区)と、1〜2年ペースで転居を繰り返してきた。同じところに住んでいると安心感よりも「飽き」が勝り、別の街での暮らしを体験したくてた